金沢は「兼六園」だけじゃない!「兼六園」周辺の見逃せないおすすめ庭園スポット!

金沢で見逃せない庭園と言えば、「兼六園」!ですよね。日本三景の1つ「兼六園」は確かに見逃せない景勝地ですが、実は、金沢にはまだまだ見逃せない「庭園」がたくさんあるんです。今回は、歩いて回れる「兼六園」周辺の見逃せない庭園5つを巡ってきました。
朝からスタート morning start!
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【9:00】兼六園下バス停からスタート
兼六園下バス停からスタートします。
金沢駅からは、もてなしドームや鼓門のある東口からたくさんの路線バスが出ています。兼六園まではシャトルバスや周遊バスもありますよ。
兼六園までは金沢駅からはバスで10~15分ほど、徒歩だと30~40分ほどです。-
兼六園下バス停から小立野方面へと少し進むと「兼六坂」の信号があります。r
そこを左折するとすぐ右手に「西田家庭園・玉泉園」があります。
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【9:02】金沢最古の茶室「灑雪亭(さいせつてい)」のある加賀藩ゆかりの西田家庭園「玉泉園」
兼六園のすぐそばにある西田家庭園「玉泉園」。
その歴史は古く、なんと400年前!加賀藩上級武士の庭園として江戸時代初期に造園がスタートし、完成までに100年を費やしたという「玉泉園」。
この「玉泉園」の庭の造りは、玉澗流庭園(ぎょっかんりゅうていえん)と呼ばれる、幻の様式なんだそうです。
全国でも「玉泉園」を含めて6例しかないんです!
これは見逃せませんね。-
「玉泉園」は兼六園のすぐ側にあるとは思えないくらい、静かで落ち着いた雰囲気の庭園です。
池や滝もあり、苔むした灯篭などを見ながら庭を散策すると、穏やかな気持ちになり、心が落ち着きます。 -
園内にある、金沢最古の茶室『灑雪亭』では和菓子とお抹茶をいただくことができます。
園内を散策した後、庭を眺めながらいただくお抹茶はまた格別です。 -
休憩としていただくお抹茶と和菓子は特に予約の必要はなく、園内に入る時に、入園料のみ、抹茶付き入園料かを選びます。
お点前体験もできますが、その場合は三日前までに予約が必要です。 -
「玉泉園」の茶室『灑雪亭』でいただく和菓子は、なんと「吉はし」さんの上生菓子です!
「吉はし」は金沢の茶人なら知らない人はいないであろう、名店中の名店、金沢を代表する和菓子屋さんです。
そして何より、「吉はし」の上生菓子は受注販売のみ。つまり気軽にふらっと行って買えるものでもないのです。
その「吉はし」さんの上生菓子が、ここ「玉泉園」でいただけるのです。
それだけでも十分に行く価値がありますね。 -
「玉泉園」は丘陵地に沿って作られているので、高低差のある庭園です。
茶室『灑雪亭』は、庭の最上段にあります。
上から眺めた池と庭園。奥に見える建物はガーデンレストラン「かなざわ玉泉邸」(http://www.gyokusen-tei.jp)。 -
「かなざわ玉泉邸」は写真のように、「玉泉園」を眺めながらお食事がいただけるというなんとも贅沢なレストランです。
「玉泉園」は、座敷に座って全景を眺めた時に、最も美しく見えるよう工夫を凝らして作られた庭園なので、最高の鑑賞方法はレストランで食事をいただきながら、庭園を眺めることかもしれませんね。 -
西田家庭園「玉泉園」
○ 開園時間 9:00〜17:00
○ 定休日 なし(臨時休園の場合あり)
○ 入園料
・観覧のみ…大人700円、高校生600円、小中学生500円
・抹茶付き入園料…大人1500円、高校生1400円、小中学生1300円
・お点前体験付き入園料…大人3000円、高校生2900円、小中学生2800円
※団体割引、JAF会員割引、身体障害者割引あり
※お点前体験付きは3日前までに予約が必要です
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【9:40】日本三名園の1つ「兼六園」
西田家庭園「玉泉園」を堪能したら、お次はお隣「兼六園」へ。
「兼六園」は言わずと知れた金沢を代表する観光地の1つ。国の特別名勝にも指定されています。
「兼六園」と言えば、やはり『ことじ灯篭』や『石川門』が有名ですが、この『明治記念之碑(日本武尊像)』も見逃せませんよ。
“みすくみの像”とも言われており、その理由は、日本武尊像の足下の台座部分の石積みに、< ヘビ ・ カエル ・ ナメクジ >がいるのですが、お互いがお互いを睨み合って、すくみあっているため“みすくみの像”と呼ばれています。
『明治記念之碑(日本武尊像)』はセメントを使っていないにも関わらず、台座が崩れないのはこの3匹が睨み合っているため、なんて言われていたりもします。-
西田家庭園「玉泉園」から兼六園へ行くには、百万石通りを登り「さくら亭」の横の階段を上ると便利です。r
そこから少し先へ進むと上坂口料金所から兼六園内へ入れます。 -
実は兼六園への入り口は何箇所もあるんです。r
ここ上坂口から入ると、明治記念之碑のすぐ近くに出ます。
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【10:30】加賀百万石の前田家の奥方のための御殿「成巽閣」
兼六園に隣接して建つ「成巽閣(せいそんかく)」は、加賀藩13代藩主前田斉泰公が母堂・眞龍院のお住まいにと建てられました。
女性の住む邸宅として建てられたからか、邸内の障子や柱などには、蝶や貝など細かな意匠が凝らされた優美な建物で、この邸宅自体も見応えがあります。
『つくしの緑庭園』と『万年青の緑庭園』があり、毛氈の敷かれた縁側からゆっくりと庭園を眺めることができます。
観光地のど真ん中にあるとは思えないくらい、喧騒と無縁な、静かでのんびりとした時間を過ごせます。-
「成巽閣」の正面入り口は、「石川県立能楽堂」側です。r
きれいな海鼠(なまこ)壁の続く道は、それだけでも一見の価値ありです。 -
正門から入ると目の前には壮麗な庭が広がります。r
玉砂利を歩くとまるで江戸時代にタイムスリップしたかのよう。 -
ぐるっと回ると「成巽閣」の正面玄関が見えてきます。
まさに大名屋敷といった風格が漂います。 -
「成巽閣」へは、兼六園からも入れます。
『赤門』と呼ばれるこちらの門は、正門とはまるで趣が違いますね。
こちらは女性的でやわらかい雰囲気ですね。 -
「成巽閣」の建物内の撮影はできないので、写真はないのですが、『謁見の間』や時代劇でよく見かけるような『広間』もあり、まるで自分がその世界に入り込んだかのような気分が味わえます。
パンフレットの表紙に『謁見の間』が載っているので、雰囲気だけでも伝わるでしょうか。
女性のための邸宅ということもあり、武家の屋敷ではあるけれど女性的な柔らかさもある建物です。 -
金沢 加賀前田家の奥方御殿「成巽閣」
○ 開園時間 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
○ 定休日 毎週水曜日(但し祝日の場合は開館、翌日休館日となります)、年末年始
○ 入園料 大人700円、中・高校生300円、小学生250円
※特別展の時は、大人1,000円、中高生400円、小学生300円
「成巽閣」は建物内の撮影は厳禁です。ただし、庭園や外の景色は撮影可能です。
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【11:00】美術の小径を散策
「成巽閣」でゆったりとした時を過ごした後は、「石川県立美術館」方面へ。r
実は「石川県立美術館」の裏手には、「金沢市立中村記念美術館」へと続く、「美術の小径」と呼ばれる散歩道があるのです。r
「石川県立美術館」や「石川県立歴史博物館」から「金沢21世紀美術館」へと繋がる近道でもあるんです。-
「石川県立美術館」横の散策路へ向かうと、各美術館への案内板があります。r
後ろの工事中の壁は、現在移設工事中の「東京国立近代美術館工芸館」。r
もう間も無くここに「工芸館」がやってきます。楽しみですね。 -
美術館の横を流れる小川に沿って散策路を歩いていきます。
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「石川県立美術館」の裏手にくると、「中村記念美術館」へと降りて行く階段があらわれます。
階段の横には辰巳用水から引かれた水が滝のように流れ落ちていきます。
緑の中に流れ落ちる水の音がこだまして、とても気持ちのいい散歩道です。
日々の喧騒を忘れさせてくれます。
中心地にあるにも関わらず人通りも少なくてオススメのスポットです。 -
階段を下りきって、緑に囲まれた道を行くと、突然目の前が開けて「中村記念美術館」にたどり着きます。
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【11:10】中村記念美術館で庭を眺めながら抹茶をいただく
「中村記念美術館」は、主にお茶道具の美術品を収蔵しており、お茶道具や金沢ゆかりの美術品を鑑賞できます。
金沢21世紀美術館のすぐ近くにあるのですが、お茶道具の美術館なだけあってゆったりとした時間が流れています。
また庭園の奥に見える、茶室「耕雲庵」は茶会や句会などで利用することもできるんです。-
「中村記念美術館」では庭園を望む喫茶室で、お抹茶とお菓子をいただくこともできます。
館内は展示室での撮影は禁止ですが、庭園の撮影は可能です。
また喫茶室から外に出て庭園を眺めることもできますよ。 -
しかも、ここ「中村記念美術館」では、ケースに陳列された作家の茶碗の中から好きなお茶碗を選ぶことができるんです。
すごいサービスですね。
※来館者が多いときはお茶碗を選ぶことができないこともあります。 -
干菓子とお抹茶のセットで350円(税込)です。
毎月第2土曜・日曜だけは上生菓子が出されます。その時は600円(税込)です。
訪れたときはちょうど桜が咲き出した頃なので、桜の花が描かれたお菓子でした。
ちなみにこのお菓子は、落雁で有名な金沢の和菓子店「諸江屋」さんの『万葉の花』。
第25回全国菓子大博覧会(姫路大会)で名誉総裁賞(三笠宮親王殿下)芸術部門を受賞したお菓子です。 -
こちらは「中村記念美術館」の付属施設の旧中村邸。
なんとこちらの建物も借りることができるんです。よく茶会などが催されています。
「中村記念美術館」
○ 開園時間 9:30〜17:00(入館は16:30まで)
○ 休館日 年末年始、展示替え期間
○ 観覧料 大人300円、高校生以下無料
○ 茶菓券 350円(第2土日:生菓子600円)
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【11:40】緑の小径を通り松風閣庭園、鈴木大拙館へ
「中村記念美術館」から「鈴木大拙館」をつなぐ遊歩道、「緑の小径」をご存知ですか。r
「中村記念美術館」の目の前にひっそりと看板があるのですが、庭園から見えていた茶室「耕雲庵」の方へ進みます。-
茶室「耕雲庵」を横目に見ながら、緑の小径を歩みます。r
およそ400mほどの遊歩道ですが、緑豊かで四季折々の自然を感じられます。r
ここも市街地の中心部にあるとは思えないほど静かで人も少なく、気分転換にぴったりです。 -
緑の小径は、途中二股に分かれていますが、どちらを通っても「鈴木大拙館」へとたどり着きます。
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「鈴木大拙館」へと向かう手前に「松風閣庭園」への入り口があります。
「松風閣庭園」へはここから入ります。
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【11:45】加賀藩筆頭家老・本多家の「松風閣庭園」
「鈴木大拙館」の近くにある「松風閣庭園」は、加賀藩の筆頭家老でもあった本多家の庭園です。r
この庭園は江戸時代初期に造られていて、なんと兼六園の作庭の参考にもなったそうなんです!r
兼六園に比べればこじんまりとはしていますが、霞ヶ池や蓬莱島と名付けられた浮島もあるんです。兼六園と同じですね。-
霞ヶ池の奥に見えるのが「松風閣」。国の登録有形文化財でもあります。r
ただ残念ながら「松風閣」自体は立入禁止のため、建物内を見学することはできません。 -
「松風閣」の前には白い玉砂利が敷かれ、奥には緑の庭と池が広がり、色彩や明暗のコントラストの綺麗な庭園です。
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「松風閣庭園」は、北陸放送(MRO)の裏手にあるのですが、社屋を通り抜けることができないので、「鈴木大拙館」との連絡路から入ることになります。r
そのため「鈴木大拙館」が開館している時間帯しか入ることができません。r
入園自体は無料です。
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【12:00】禅の心に触れる「鈴木大拙館」の思索空間
「緑の小径」の終点、「鈴木大拙館」。r
ここ金沢市本多町に生まれた世界的仏教哲学者・鈴木大拙の思想に触れ、また自ら思索にふける事ができる空間になっています。-
閑静な住宅街に建つ「鈴木大拙館」は世界的建築家の谷口吉生氏による設計です。
玄関棟・展示棟・思索空間棟という3つの棟と、玄関の庭・露地の庭・水鏡の庭の3つの庭で構成された独特の空間です。 -
まるで水面に浮かんでいるかのような奥に見える四角い建物が、『思索空間(Contemplative Space)』と呼ばれるスペース。
極限まで無駄を削ぎ落とした“美しさ”が感じられますね。 -
『思索空間(Contemplative Space)』の周囲を囲む水面は、『水鏡の庭(Water Mirror Garden)』と呼ばれています。
ここでは定期的に波紋が発生するようになっています。
でも決して同じ波紋になることはなく、絶えず変化する様子を飽きることなく眺める事ができます。 -
『思索空間』の内部から見た『水鏡の庭』。
余計なものを全て削ぎ落としたかのような空間の中で、ただ水の流れる音を聴き、水面を眺めていると「無」になれるような不思議な空間です。
まさに「禅」の心を体感できる場所です。 -
金沢で見ておきたい庭園といえば、ここまでに紹介してきたいわゆるTHE日本庭園もたくさんあります。r
が、「鈴木大拙館」のような現代的な庭園もあるんです。r
古いものと新しいものが違和感なく共存する金沢ならでこそ、かもしれませんね。 -
「鈴木大拙館」
○ 開館時間 9:30〜17:00(入館は16:30まで)
○ 休館日 毎週月曜日(但し祝日の場合は開館、翌日休館日)、年末年始
○ 観覧料 大人300円、高校生以下無料
様々な庭園を堪能した後は、香林坊・片町で美味しいご飯をいただきに参りましょう。
「鈴木大拙館」から竪町へは徒歩で10分ほどです。
(※このコースは2019年4月6日に行ってきました。)
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ゴールFinish!!