金沢の中心で食べる石川県民のソウルフード「さぶろうべい」

創業は1950年。「とり白菜鍋」の老舗「さぶろうべい」が金沢の中心・尾山町にオープンした。旨味の強い親鶏とたっぷりの白菜を丁寧に抽出した自家製の鶏油で焼き上げ、秘伝のたれで食す「とり白菜鍋」石川県民のソウルフードが待望の金沢市中心街での出店だ。

一日に必要な量の野菜がとれる「とり白菜」

石川県で「とり白菜」と言えば、鶏肉とたっぷりの野菜を入れた鍋のこと。さぶろうべいでは、親鶏と白菜だけを使うのが特徴。

使う白菜は一人前が330gほど。数種類の野菜をバランスよく摂取することがベストとはいえ、厚生労働省が推奨する一日の野菜の摂取量350gだから、単純計算ではとり白菜一人前でほぼ一日に必要な野菜が摂取できる計算になる。

艶やかな鉄鍋からこぼれそうなほどに盛り上げられた白菜。この下に鶏肉が隠れている。

 

「鍋」と言ってもさぶろうべいのとり白菜は、鶏肉と白菜を鶏油で焼くスタイルだ。

鶏油はもちろん自家製。上質な脂をたっぷりと含む親鳥の首皮を使い、時間をかけてじっくりと抽出する。そうして抽出された鶏油はさらりと上品な口当たりになり、さぶろうべいのとり白菜に欠かせない存在になるのだ。

 

少しずつ熱をかけて、じっくりと抽出した鶏油は美しい黄金色をしている。

 

甘くさらりとした口当たりの鶏油をまとった鶏肉と白菜、これに生卵を落とした特製のたれで食べる。たれは創業時から伝えられる秘伝で、隠し味に使ういしるのコクが鍋の旨味を引き立てている。

 

料理研究家のリュウジさんも絶賛した伝統のたれ。とり白菜だけでなく、煮物のたれやドレッシングなど、幅広く使える万能たれとして販売もされている。

 

 

 

SDGsにもつながる思いから生まれた

とり白菜は、創業者である三郎平氏の「命を大切に扱う」思いから生まれた。

1950年といえばまだ戦後間もない頃。世の中はまだまだ食糧不足が続いていた時期だ。

目に留まったのは、卵を産むことができなくなった親鶏。肉質は固いけれど、うま味の強い親鶏の栄養を余すところなくいただく、人の栄養となることで最後まで命を全うする。

現代のSDGsにも通じる、そんな思いが長い時間を経て「ソウルフード」とまで呼ばれるようになったのだ。

チリチリと火が通る音も、立ち上る湯気も香りもかぐわしく食欲をそそる。

 

「命を大切に扱う」のは鍋だけではない。さぶろうべいのもうひとつの名物メニューである「とりかわ(480)」は、鶏油をとった後の皮を使っている。

ただの「もったいないから使う」ではない。脂が落ちたことで、さっぱりと食べられる創業時から変わらない味はファンの多い一品だ。

 

 

脂を落とした鶏皮を煮込んだ「とりかわ」が創業時からの名物なら、チップスのように揚げた「とりかわカリポリ揚げ(480)」は人気急上昇の新名物。

 

親鶏の肉からスタートしたとり白菜は現在、親とり(850)のほか、若とり(950)、とりもつ(850)、高原豚(990)4種類に。

締めは雑炊(セット350)、うどん(180)、中華そば(180)からチョイスできる。

 

あえて具材を少し残して締めを楽しむのもアリ♪

 

 

石川のソウルフードを全国に、世界に!

さぶろうべいは、能登の入り口・かほく市高松で誕生した。長く地域に愛され、2014年に飲食店のプロデュースを行うサビーが事業を継承。その味と伝統を受け継いだ。

尾山町店は、サビー代表取締役社長の田端が初めてとり白菜を食べたときからの念願だったという。

「地域のソウルフードであるこの味をいつか全国に、世界に知らしめたい」

味はもちろん、食材やそれを食べる人にかける思いごと受け継いだのだと。

この地で長く歴史を刻んだ、2軒並んだ町屋をリノベーションした尾山町店

 

店内は、もとの町家の梁や柱、建具を残しつつ、作り込みすぎないことを意識したという。

古い木材とはすかいなどに使った真新しい木材、塗り壁にむき出しのパネル材、さまざまな素材が混在する店内は、それでもどこか懐かしいような気持ちが落ち着くような雰囲気を醸し出している。

 

1階はおひとり様やちょい飲みがしやすいカウンター、2階は仲間やグループで鍋を囲むテーブル席となっている。

 

2階席はテーブルごとに4か国語対応のモバイルオーダーが設置されている。

 

ランチタイムは、とり白菜鍋ととりかわがセットになったお得な定食もおすすめ。ランチタイムの定食はごはんと味噌汁がおかわり無料なのもうれしい。

午後の活力をチャージしたい人も、鍋をつつきながらゆっくりランチタイムを楽しみたい人も、どちらにも応えてくれるうれしいセットだ。

 

親どり 白菜鍋+とりかわセット(ご飯、みそ汁付き)(1,210)

 

1人でよし、グループでよし、ランチでもディナーでもちょい飲みにも応えてくれるさぶろうべい。命のパワーをいただきながら、石川県の人々が愛する味を存分に堪能してみてはいかが。

 

▼Instagram

https://www.instagram.com/saburoubei_oyamamachi/

 

※価格はすべて税込み

 

取材日時 20256月26日

 

取材・文 小杉智美

 

 

 

 

店舗情報

店舗名 さぶろうべい 尾山町店
住所 金沢市尾山町5-8
電話番号 076-208-7004
営業時間 平日:11:00~14:30 (LO 14:00)/17:00~22:00 (LO 21:30) 
定休日 不定休